接触皮膚炎(せっしょくひふえん)は、急性皮膚疾患の一つ。日常語でいうかぶれ。
接触皮膚炎(せっしょくひふえん)の分類
■一次刺激性接触皮膚炎 (ICD, Irritant Contact Dermatitis)
原因物質の接触によって皮膚の炎症を誘発する。原因物質の毒性の強さによって、症状の強さが決まる。アレルギーは無関係なので、誰でも起こりうる。
■アレルギー性接触皮膚炎 (ACD, Allergic Contact Dermatitis)
原因物質に触れると、皮膚の炎症細胞が感作される。
次に、またその原因物質に接触することによって、皮膚の炎症細胞が活発に働き湿疹を誘発する。原因物質の毒性の強さと症状の強さは相関しない。アレルギーのある人のみ生じる。
症状
■掻痒を伴う発疹が、原因物質の接触した部分に出現する。
■発疹の特徴として、最も典型的な湿疹の経過をたどる皮膚炎である。水疱・紅斑・丘疹など。
■接触皮膚炎症候群という病態がある。原因物質の接触した以外の部分にも湿疹が広がることで、掻いて広がる場合をいう。さらにこれが全身に広がることがあり、自家感作性皮膚炎と呼ばれる。
■歯科金属アレルギーの場合、詰め物により慢性的な口内炎を起こすことがある。
■重症例では潰瘍を伴うこともある。
原因
■一次刺激性接触皮膚炎 (ICD)
油・洗剤・石鹸など刺激の強い物質で起こる。
おむつかぶれは、尿や便が細菌によって分解されできるアンモニアによる刺激で生じる。
■アレルギー性接触皮膚炎 (ACD)
・化粧品・外用剤などの原因となる物質が皮膚に接触させることで、アレルギー反応が生じ発症することが有名である。
・植物の原因として、サクラソウ・菊・マンゴー・銀杏が有名である。
・歯科金属アレルギーも非常にみられる。
・アレルギーの原因物質で有名なものは、プリミン(サクラソウに含まれる)・ウルシオール(漆に含まれる)・パラフェニレンジアミン(ヘアダイに含まれる)がある。
診断・検査
■一次刺激性接触皮膚炎(ICD)
アレルギーとは無関係なため、特に検査を行うことはしない。
■アレルギー性接触皮膚炎(ACD)
確実な診断は貼布試験である。パッチテストともいう。疑わしい物質を皮膚に貼付し、48時間後に皮膚の反応を見るという検査である。
IV型アレルギーの代表的な検査法であり、陽性反応は、紅斑・浮腫・小水疱などの湿疹が貼付した部分にできる。(あくまでIV型アレルギーなので好酸球やIgEは関与しない。)
金属アレルギーの場合は1週間たって陽性反応が出ることもあるため、診断に時間がかかる。
治療
■原因物質の被曝を防ぐ。
■ステロイド外用剤を湿疹の部分に外用・塗布する。
■痒みに対しては、抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬を使用する。
■発疹の症状が強い場合や自家感作皮膚炎の場合は、ステロイド内服・注射等、全身投与が必要になることがある。
皮膚の傷跡、やけど跡などに関する用語
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